2) ラドン療法の条件
ハイルシュトーレンのラドン療法坑道の関連施設には、診察室、検査室、リハビリ室、研究室などがあり、クワハウスと呼ばれている。外来診療しかせず、患者はバードガスタインのホテルなどに宿泊して、送迎バスなどで通院する。実際の治療は、長さ約3qの坑道内へトロッコに乗って入り、症状に応じ、途中4ヶ所にある治療室のうち1ヵ所で約40分間、ベットに横臥するだけである。坑道治療回数は処方に従って、3〜4週間、隔日に9〜12回のペースで行われている。
治療室内の環境条件は、おおむねラドン濃度が166,500Bq/m3(これは約2mSv/hrと換算され、治療1回の被爆線量は自然放射線の年間被爆線量に相当する)、温度が37‐41.5℃、湿度が70‐95%である。このうち、ラドン濃度に関しては、三朝温泉の浴室は、54Bq/m3、岡山大学三朝分院の熱気浴室は2,080Bq/m3であり、後者の約80倍も高い3)。なお、高温・多湿の環境が治療効果をもたらす一つの因子と考えられている。
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