Shu-Zheng
Liu, Ph.D(中) 要 旨 放射線の生体影響の線量-作用曲線は対象の様々な因子に依存するが、中でも照射域の大きさと線量率が重要である。線量0.2以下になると0.5以上の線量で見られる作用とは反対の作用がしばしば観察されることが報告され、UまたはJ型の線量-作用曲線が提唱されてきた。この論文ではこうした現象をもたらす分子レベル、細胞レベルでのメカニズムについて著者らの研究から得られたデータに基づいて概観し、生体での作用を考察する。そして最後に仮説モデルを提案する。 緒 言 放射線生物学の最も重要な成果のひとつは対象の線量-作用の関係を明らかにすることである。生物の複雑さのために普遍的なものを求めるのは難しい。文献的には主に0.5-1Gy以上の線量で得られたデータの外挿による線量-作用曲線が作成されているが、正確には現実のデータに基づいて作成されなければならない。理由は現実に0.1や0.2Gyで得られたデータは外挿によるものとは異なっているという単純なものである。低線量に向かうにつれて多くの生物学的パラメーターが(高線量域とは)反対になる傾向がしばしば観察され、UまたはJ型の線量-作用曲線が得られる。 ホームページに関するご意見・ご感想をこちらまでお寄せ下さい。 |